「フリー保育士になったけど、たらい回しにされてつらい…」
「1日の動きの見通しが持てないから、精神的にしんどい…」
「子どもとあそんでたらいつも途中で呼ばれてあそびが中断しちゃう…」
こんなことでお悩みのフリー保育士さんはいませんか?
フリー保育士になるとあちらこちらから呼ばれて、どうしてもバタバタしてしまいますよね。
子どもとじっくり関われる担任がうらやましいと思ったり、来年はフリーになりたくないと思ったり…。
フリー保育士がつらいと感じる理由のベースには「たらい回しにされること」があるようです。
今回の記事では、保育園に欠かせない存在のフリー保育士がつらいと感じる原因の「たらい回し」について考えてみました。
この記事でわかること
・フリー保育士がたらい回しにされる理由
・フリー保育士がたらい回しにされてつらい理由
・たらい回しにされるフリー保育士ができる対策
この記事を読んで、フリー保育士の立場を楽しんで保育ができるようになりましょう!
こんにちは!現役保育士のめるるです♪
保育現場で15年以上はたらいています。
以前勤めていた園で、「フリーにはなりたくない」という声がよく聞こえてきました。
フリーはとても大切なポジションなのに、そんな声が出てくるのを残念に感じていました。
もくじ
フリー保育士をしていてつらいことは…たらい回し⁉
フリーを担当したことがある保育士たちと話をしていると、「フリー保育士って大変だよね!」という話になることがあります。
毎回挙がってくることは以下の5つです。
フリー保育士が大変だと感じること
・各クラスのやり方に合わせなくてはいけないこと
・相性が悪いクラスに入ること
・雑用が多いこと
・決まった居場所がないこと
・たらい回しにされること
だいたいいつもこの5つのことが「大変よね」「つらいよね」という話になります。
私自身フリーを担当していた時は楽しくすごしていてあまり大変だとは思わなかったのですが…
たらい回しにされることだけは「ちょっとやだな…」と感じていました。
フリー保育士はなぜたらい回しにされるのか
されるとつらいたらい回し。
ではなぜフリー保育士はたらい回しにされるのでしょうか。
その理由を考えてみます。
フリー保育士のそもそもの役割
フリー保育士のそもそもの役割を思い出してみましょう。
フリー保育士とは、担任のクラスを持たず、園全体のために動くオールラウンダーとして、各クラスのサポートを行う保育士のことです。
フリー保育士は、各クラスの担任保育士と連携を取り合いながら、さまざまな業務をこなします。また、園全体の運営に関わる仕事(たとえば行事の進行や、掃除・洗濯・消毒作業など)も同時に行います。
引用:YMCA社会体育・保育専門学校「フリー保育士とは?仕事内容、やりがいと悩みを解説」
「園全体のために、人手が足りない部分をサポートする」ことがフリー保育士の役割です。
「人手が足りない部分」は1日中同じクラスや同じ場所で発生する訳ではありません。
時間や活動、状況によって変化します。
「たらい回し」という言葉にはネガティブなニュアンスが含まれていますが、人手が足りない部分が発生したらその場所に言ってサポートするのがフリー保育士のそもそものしごとなのです。
園全体の見通しのなさ
人手が足りない部分のサポートがフリー保育士の役割です。
とは言え、中にはほんとうに行き当たりばったりで、フリー保育士がせわしなくあちらこちらに行かなくてはいけない…という園もあります。
その場合、園全体として見通しが持てていないのでしょう。
新年度が始まってしばらくすれば、各クラスの1日の流れは決まってきます。
行事もきちんと計画を立てれば、どこでどのタイミングで人手が必要かは見通しがつきます。
子どもが嘔吐するなどの急なトラブルが起きることもありますが、園全体の基本的なスケジュールがわかっていれば、フリー保育士の動きもだいたい決まります。
フリー保育士がバタバタと動かなくてはいけないような状況ということは、園全体の見通しが持てていない場合が多いです。
フリー保育士がたらい回しにされるとなぜつらいのか
フリー保育士にとって、たらい回しはなぜつらいのでしょうか。
その理由は大きく3つあります。
「いらない」と言われているような気がするから
主任や先輩から指示されたクラスへ行ってみると「来てくれて助かった!」と言われる場合もあります。
しかし反対に「今は人手が足りているので大丈夫です」と言われることも少なくありません。
職員が十分に出勤している日や子どもの欠席が多い日によく起こるできごとです。
どのクラスからも「大丈夫」と言われてしまう状況になると、「じゃあ、そうじでもお願いしようかな」とそうじや雑用をすることになります。
「じゃあ」という雰囲気だと、「私って必要ないのかな…」という気持ちになってしまいます。
気持ちや荷物の準備ができていないから
今入っているクラスから急に他のクラスに行くことになると、気持ちを次のクラスに切り替えなくてはいけません。
0歳児のクラスに入っていたのに急に5歳児のクラスに入ることになると、子どもへの関わり方が全く異なります。
それでも対応するのがプロの保育士ですが、「次は5歳児クラス」とあらかじめ決まっているのと、急に行かなくてはいけなくなるのでは気の持ちようが変わってきます。
できるなら、自分がどのように動けばいいのかを理解して保育に入りたいですよね。
また小さいクラスでは給食介助用のエプロン、大きいクラスでは上靴が必要など、各クラスで必要なものが異なります。
水筒や外あそび用の上着、筆記用具など全クラスで使うけれど持ち運ぶには大変なものもあります。
それらすべてを持ってせわしなく移動するのはなかなか大変です。
子どもとの関わりが中途半端になるから
保育士が急に入ってきたりいなくなったりすると、子どもにとっても気持ちが落ち着かない原因になります。
とくに今一緒にあそんでいた保育士が大人の都合で出て行ってしまうと、せっかく楽しんでいたあそびが中断してしまったりさみしい気持ちになったりします。
- ババ抜きで盛り上がってる真っ最中
- 一緒に作っていた製作物がもう少しで完成しそうなタイミング
- 泣いていた子どもを抱っこしてようやく落ち着いてきたタイミング
こんな場面で急きょ他のクラスに行くことになれば、子どもだけでなくフリー保育士もなんとなく落ち着かない気持ちで次のクラスに行くことになってしまいます。
たらい回しにされるフリー保育士ができること
フリー保育士はたらい回しになりやすいポジションではあるけれど…それでも気持ちよくしごとをしたいですよね。
フリー保育士ができる対策を紹介します。
たらい回しにされていやな気持ちになりたくないですよね。
私がフリー保育士だった時にやってみて効果的だった、たらい回しにされていやな気持ちにならないための対策をご紹介します!
自分の考え方を変える
人や集団を変えるのはむつかしいもの。
まずは自分の気持ちや行動を変えてみましょう。
フリー保育士の役割を思い出す
フリー保育士の役割。
それは「園全体のために、人手が足りない部分をサポートする」ことでしたよね。
人手が必要な時に必要な場所に行くことは、フリー保育士にとって当然のしごと。
あとはそれを自分がどう捉えるかの問題です。
「あちらこちらにたらい回しにされてつらい…」ではなく、「いろんなクラスから必要とされている!」「フリーが雑用に回れるくらい園全体が落ち着いているんだな」と前向きに考えることから始めました。
すると、「たらい回し」というネガティブな気持ちから、「みんなから必要とされている」というポジティブな気持ちになることができました。
自分の考え方を変えることは大切ですね。
また合わせて、自分だけではどうにもならない部分はまわりの環境にもはたらきかけてみることも必要です。
それはのちほど解説しますね。
どこにでもいける準備をする
フリー保育士はあちらこちらに行ってサポートするのがしごとです。
荷物の問題は、各クラスで必要なものをすべて持ち歩くようにすると解決しました。
こまめに移動することを考えて、必要最低限のものをトートバッグに入れて持ち運ぶと便利ですよ。
まず園内で必要になりそうなものは、園置き用をそろえてトートバッグに入れて園に置きっぱなしにするようにしました。
筆記用具や上着などをプライベートのものと兼用にすると、出勤後に通勤バッグから取り出してその日に必要なものを準備するのが大変だったからです。
おかげで出勤したら通勤バッグはロッカーに入れて、園内用のバッグを持つだけで準備ができるようになりました。
またいつどのクラスに行くことになっても、そのバッグを持っていくだけで必要なものはすべて入っているので、移動した先で「あれがない!」というストレスもなくなりました。
子どもとの関わり方を工夫する
フリー保育士という立場なので、急に呼ばれて子どもとの関わりやあそびが中断してしまうことも「そういう役割なんだ」と考えることにしました。
その上で、「それでも子どもにはさみしい思いをさせないための工夫」をすることにしました。
- 大きいクラスなら、あらかじめ「呼ばれたら他のクラスにいくこともある」と伝えてあそび始める
- 途中で離れる時は「続きがどうなったか教えてね」と自分がいなくなっても続きを楽しめるように声をかける
- 自分の代わりにあそびに入れそうな保育士がいるならあそびに入ってもらう
- 小さいクラスなら、今の状況を他の保育士に伝えて引き継ぐ
- 引き継げない場合はこれから行くクラスに少し待ってもらえないか確認する
など、「途中で離れるからこそ、次会える時への期待を持てるようにする」「離れる時に必ず子どもの気持ちをフォローをする」という工夫をしました。
これらの工夫をすることで、子どもにとって以前よりも「クラスに来てくれたらうれしい先生」「クラスに来てほしい先生」になれたように感じました。
まわりを巻き込む
保育というしごとは連携・協力が必要不可欠です。
まわりもどんどん巻き込んで、みんながはたらきやすくなるようにしていきましょう。
見通しを持って動けるように事前に予定を組んで教えてもらう
たらい回しがつらい1番の理由は「自分の行動に見通しが持てない」ことです。
先にも述べましたが、こまめに入るクラスが変わるとしても、それをあらかじめ知っているのと急に言われるのとでは感じる負担感が大きく変わってきます。
可能なら、主任などの全体の動きを決める立場の人に「フリー保育士の1日の動きを、保育に入る前に教えてほしい」とお願いしてみましょう。
案外頼んでみると対応してくれることもありますよ。
主任が忙しくてそこまで考えるよゆうがない場合は、
- 1日の動きは大まかでも大丈夫
- 大まかでも動きがわかっているとフリー保育士の動きが効率よくなる
- クラス担任もフリーの動きがわかるとフリーにしごとを頼みやすくなり、園全体の効率が上がる
- 効率があがると園全体によゆうが出てきて、主任も楽になるかもしれない
と、フリー保育士の1日の動きを考えてもらうメリットを伝えてみましょう。
時間がある時にすることをあらかじめピックアップしてもらう
こちらは簡単なわりに効果的な方法です。
事務所などの全員がわかりやすい場所に「時間がある時にフリー保育士にしてほしい作業」を担任に書いてもらうのです。
各クラスが落ち着いていて保育に入る必要がない時に、フリー保育士が雑用をすることってありますよね。
その時にフリー保育士が「私って必要ないのかも…」と思うのは、「保育に必要とされていない」から「誰でもできる雑用をしなくてはいけない」というイメージがあるからです。
しかし「時間がある時にしてほしいこと」があらかじめわかっていると、「私がやらなきゃ!」と前向きにとらえることができます。
担任としても、忙しい保育中に急に「なにかすることありますか?」と聞かれてしてもらうよりも、あらかじめ「これをしてくれたら助かる!」と挙げておいたことをしてもらえる方が助かります。
それに、時間ができた時に毎回することを聞いてまわるのは効率が悪いですしね。
私が勤めていた園では、この方法で園全体の満足度が上がりました。
クラス担任とのいい関係性を築く
大人どうしの関係も子どもとの関係と同じです。
各担任の保育のやり方に合わせることで、「この先生がきてくれたらやりやすいな」と感じてもらえるようにしました。
それぞれのやり方を把握するまでは大変でしたが、年度初めにしっかり聞き込むと1年間スムーズにすごせます。
また一緒にすごす中で困っていることや悩んでいることなどを聞き、フリー保育士だからこそできるサポートをするように心がけました。
入るクラスの担任から歓迎してもらえる関係性ができあがると、どのクラスに行っても楽しくすごすことができますよ。
また担任との関係性をよくすることで、たとえば私が主任にお願いをする時などに担任が味方になってくれ、フリーとしてのしごとがどんどんやりやすくなっていきました。
まとめ
フリー保育士のたらい回しについて、いかがだったでしょうか。
担任保育士には担任保育士の楽しさが、フリー保育士にはフリー保育士の楽しさがあります。
それを「たらい回しにされるから」という理由で「つらい」と感じてしまってはもったいないです。
自分の考え方を変えたりまわりを巻き込んだりして、フリー保育士を楽しんでくださいね。
もしもどれだけ頑張ってもうまくいかないのなら、もしかしたら今いる園が自分に合っていないのかもしれません。
どうしてもつらいなら、自分に合った園を探してみてもいいかもしれませんね。
保育系の転職に興味がある人はこちらの記事も読んでみてくださいね。