保育士の退職・転職

保育士が退職したいと思ったら考えること~円満退職に必要なことや退職後の金銭面やキャリアについて~

保育士 退職 アイキャッチ

「今の保育園をやめたいけど、退職ってどうやってするの?」

「退職したあとのお金や次の就職先が不安…」

「退職を伝えたら引き留められて、辞めれそうにない…」

とお困りの保育士さんはいませんか?

年々ハードになっていく保育現場。

退職したいと思っている保育士さんも多いのではないでしょうか。

今回は初めての退職を考えている保育士さんに向けて退職までの一連の流れをまとめてみました。

だれでも初めてのことをする時は不安になるもの。

少しでもイメージができれば、その不安も小さくなりますよ。

退職が初めての保育士さんがイメージできるように、今回はこの7つについて説明します。

  • 保育士が退職したいと思ったらしてほしいこと
  • 保育士が円満退職するために
  • 保育士が退職する時に必要な書類
  • 保育士が退職する時に考えるお金のこと
  • 保育士の退職が決まったらすること
  • 保育士が退職したあとのキャリア
  • 保育士が退職する時に引き留められたら

保育士めるる

こんにちは!現役保育士のめるるです♪
保育現場で15年以上はたらいています。

私も職場を変えたことがありますが、初めての退職の時は何をどうしたらいいのかまったくわからず、不安でした。
退職に向けてどう動いたらいいのか、なにを配慮したらいいのかなどが分かるだけで不安はかなり解消されると思います。
この記事を読んで、退職までの道のりをイメージしてみてくださいね。

保育士が退職したいと思ったらしてほしいこと

保育士がしごとをやめたいと思った時には、いきおいですぐに退職するのではなく、少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。

即決で退職してしまうと不利な状況に追い込まれてしまうこともあります。

退職を決める前に考えるとよいことを挙げてみました。

退職したい理由

退職したいと思った理由を考えてみましょう。

  • なんとなく?
  • 苦手な人が職場にいる?
  • しごとが大変?
  • 体調不良?
  • 子育てや介護が大変?

退職したい理由が自分できちんと整理されていなかったら、退職したとしてもその理由が解消されないことがあります。

次の職場も似たような理由で退職するのは避けたいですよね。

それにもしかしたら、その問題ときちんと向き合うことで問題が解消され、今の職場を退職しなくてもよくなるかもしれません。

自分の気持ちがわからない時は、紙に書きだして可視化すると整理しやすいですよ。

退職したあとのこと

退職したい理由がわかったら、次は退職した時のリスクを考えましょう。

  • 収入がなくなる、もしくは少なくなる
  • キャリアがリセットされる
  • 転職先がみつからない可能性

また、退職したあとの生活がなりたつのか、計画をたてましょう。

行き当たりばったりで退職してしまうと、生活に困ることになるかもしれません。

退職してすぐにはたらき始めたいのなら、転職エージェントを利用するのもおすすめです。

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保育士が円満退職するために

退職すると決めたら、円満退職を目指していきましょう。

最後の最後にもめていやな気持ちになりたくないですよね。

円満退職をするために、以下のことを考えましょう。

退職する時期を検討する

まずは、いつ退職するのか決めましょう。

自分の都合もありますが、職場の都合も考慮できたらいいですね。

できれば年度末で

保育現場でのベストな退職タイミングは年度末です。

年度単位で動いているので、学年やクラスが変わる年度末での退職だと、子ども・保護者にも同僚にも影響が少ないでしょう。

年度途中の場合

年度途中での退職は、上司や同僚にかかる負担が大きいということと、子どもや保護者にもさみしい思いをさせてしまいます。

それでも年度途中で退職したいなら、大きな行事の前は避け、落ち着いた時期にしましょう。

退職を伝える順番を考える

伝える順番を間違えると、変に話が伝わったり相手にいやな思いをさせてしまうこともあるので、きちんと考えましょう。

一般的には、まずは直属の上司に伝えます。

保育園で言うと、主任や副園長になります。

関係性によっては、その前に同じクラスのリーダー保育士に伝えてもいいでしょう。

直属の上司に伝えた後、園長に直接伝えます。

退職を伝えるタイミングを考える

退職の話は立ち話で気軽にできるものではありません。

上司にも時間をとってもらい、落ち着いた状況で話をしたいところです。

上司に時間をつくってもらえるように、事前に「お話があるのでお時間いただけますか?」と予約をしておきましょう。

その予約をする時も、保育中などのバタバタした時間だときちんと伝わらず忘れられてしまうこともあるので、休憩中などの落ち着いた時間帯をねらって声をかけましょう。

退職の意向をはっきりと伝える

退職の話をする時に大切なことは、「退職を考えています」とやんわり伝えるのではなく、「退職します」とはっきり伝えること。

やんわり伝えてしまうと引き留められる可能性があります。

引き留められないためにも、はっきりと退職の意向を伝えましょう。

退職理由の伝え方に気をつける

結婚などのポジティブな理由の時は伝えやすいですが、そうではない場合に理由を伝えるか悩んでしまうと思います。

そんな中退職理由を聞かれた時に気をつけてほしいのがこの2つ。

  • うそはつかない
  • 伝えるのならポジティブに言いかえて伝える

うそはつかない

人間関係などのネガティブな退職理由なのに、「引っ越すので」などとうその理由を伝えるのはおススメしません。

その場は問題なく終わるかもしれませんが、そのようなうそはそのうちわかってしまうもの。

うそだとわかってしまったあとはとても気まずいですし、後ろめたさを感じたまま退職をしていくのもすっきりしないものです。

伝えるのならポジティブに言いかえて伝える

ネガティブな理由をそのまま伝えると、退職までの間気まずくなってしまう可能性があります。

また、給与などの不満を伝えると、改善案を出されて引き留められることもあります。

そこで退職理由をポジティブに言いかえ、さらに自分の今後につなげながら話すとよいでしょう。

例えば、「しごとがハードで体調をくずしてしまいましが、ここで学んだことを活かして、無理なくはたらける環境を作っていきたい」などと伝えることで、気まずくならず引き留めにも合わずに理由を伝えることができます。

保育士が退職する時に必要な書類

保育士が退職する時、上司に話をすれば退職に必要な書類を教えてくれると思います。

一般的なものを挙げておきますね。

退職届

園によっては決まった書式のものがあり、記入欄に名前などを記入していくだけでいい場合もあります。

それがない場合は自分で退職届を書いて提出することになります。

一般的な退職届の書き方はこちらを参考にしてください。

園に提出・返却するもの

提出や返却忘れがあると、退職後にもう一度園に行かなくてはいけなくなった…ということも起こりえるので、忘れないようにしましょう。

  • 退職届
  • 健康保険証
  • マニュアルなどの業務資料
  • 備品(エプロンやロッカーの鍵など)

園から受け取るもの

転職時や失業手当の手続き時などに必要になるので、抜けがないかしっかり確認しましょう。

  • 健康保険被保険者資格喪失証明書
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収
  • 離職票(59歳以上は必ず、58歳以下は希望者)
  • 退職証明書・在籍証明書(希望者)
  • 年金手帳(会社に提出している場合)

保育士が退職する時に考えるお金のこと

保育士が退職するにあたり、次の就職先が決まっていて収入が安定しているならそこまで心配することはありません。

しかし、次が決まっていない中の退職は金銭的にきびしくなるので、その対策をとっておくことが大切になります。

退職した時に金銭的に頼りになる制度はいくつかありますが、その中でももらっている人が割と多いものを紹介します。

その他の制度が気になる方はこちらをごらんください。

病気やケガでの退職なら、傷病手当金

退職の理由が病気やケガの場合、傷病手当金という制度があります。

傷病手当金とは、

病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

全国健康保険協会HP

つまり、病気やケガになってはたらけなくなった時に支給してもらえるお金です。

ちなみにこの「病気やケガ」というのは、しごとと関係なくなった病気やケガのことです。

しごと中になった病気やケガは、労働災害として給付金を申請します。

労働災害についてはこちらを参考にしてください。

傷病手当金は、在職中にしごとをある程度やすんだ段階で申請でき退職後も引き続き受け取ることができます

支給には条件がありますがそこまで厳しくはないので、きちんと把握して必要に応じて申請しましょう。

申請がとおれば、標準報酬月額のおおよそ3分の2程度の金額を、通算1年6か月まで受け取ることができます。

病気やケガでないなら、失業手当

上記の傷病手当金は「病気やケガではたらけない時」に支給されます。

一方こちらの失業手当は、「失業の状態」である時、つまり「就職する意思や就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない状態」の時に申請することができます。

こちらもある程度条件がありますが、そこまで難しくはありません

支給額は人によって大きく変わりますが、毎月の賃金の45~80%程度です。

支給される期間も人によって異なり、90~150日間程度です。

傷病手当金と失業手当の関係

傷病手当金と失業手当。

どちらも条件さえ当てはまれば、退職後に受け取ることができます。

しかし、2つを同時に受け取ることはできないのです。

なぜなら、

傷病手当金…病気やケガではたらけない人
失業手当…はたらけるのに職業につけていない人

と、対象となる条件が異なるからです。

病気やケガ以外の理由で退職する人は、待機期間後に失業手当を受け取ります。

病気やケガで退職する人は、病気やケガではたらけない間はまず傷病手当金を受け取り、その後回復しはたらけるようになったのにしごとに就けない時は失業手当に移行する場合が多いです。

傷病手当金を長く受け取ると、失業手当の支給期間(離職日翌日から1年)がすぎてしまうことがあります。その場合は、失業手当の受給期間延長を申請しましょう。

保育士の退職が決まったらすること

退職が決まってからは周りからの目が気になるもの。

円満に退職するためにも、退職が決まってからのすごし方が大切です。

しっかりとしごとをこなす

もう辞めるからと手を抜くと、印象がかなり悪くなります。

退職後もなにかのご縁で関わることがあるかもしれません

最後までいい印象のままでいたいですね。

また、一時でもお世話になった職場です。

むしろ今まで以上にしっかりとしごとに向き合いましょう。

引継ぎを丁寧に

あなたが退職したあとも、子どもたちの生活は続きます。

後任の保育士にしっかりと引継ぎをすることが必要です。

後任が決まっていない場合は紙にまとめておくなどして、後任の保育士や子どもたちが困らないようにしましょう。

また、係などの担当がある場合も同様にしっかり引き継いでおきましょう。

退職後の話はさける

あなたの退職後に何をするのか、興味本位で聞いてくる人もいるかもしれません。

しかし今後のことをあまりに言いすぎると、今のしごとに身が入っていないのではないか…と思われることもあります。

聞かれてもさらっと流す…くらいがいいのかもしれません。

最後はしっかりあいさつを

退職が決まってからもしっかりしごとをし、まわりに配慮しながらすごしてきました。

最後の最後まで気を抜かず、しっかりとあいさつをして最終日を終えましょう。

同僚、子ども、保護者…それぞれにあったタイミング、伝え方を考え、笑顔でお別れができるといいですね。

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保育士が退職したあとのキャリア

次のしごとを探す時に重要なのが、「自分がしごとをする上でなにを大切にするか」をしっかり考えることです。

「今の職場のなにが不満だったのか」「これからはどんな風にはたらきたいか」をしっかり把握することで、次の職場で長く務めることができるといいですね。

転職で失敗しないために、転職エージェントを利用するのもおススメです。

あなたの希望をしっかり聞いてくれますし、面接のコツなどの相談にものってくれますよ。

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保育士が退職する時に引き留められたら

保育士不足の近年、保育士が退職を申し出るとたいがいが引き留められます。

引き留められるのを断るのも心苦しいもの。

引き留められないように、退職の意思の伝え方を工夫しましょう。

退職の意思をはっきり伝える

引き留められたとしても決してゆるがない気持ちを持って退職の意思を伝えましょう。

「退職したいのですが…」というおうかがいではなく、「退職します」と言い切るくらいの気持ちで話をしましょう。

退職理由を工夫する

上司は保育士に辞められては困るので、あの手この手で引き留めようとするでしょう。

そこで、退職理由を引き留められないようなものにしてしまいましょう。

  • 次の園の給料が今の給料よりかなり高い
  • 遠くへ引っ越す
  • 体調不良
  • 家族の都合
  • 昔からあこがれていた、保育とは全く別の職業に就く

など、園がどんなにがんばってもどうしようもないことを、うそではない範囲で伝えてみてください。

退職代行を使ってみてもいいかも

それでも執拗に引き留められたり、辞めさせてくれない場合、思い切って退職代行を使ってみてもいいかもしれません。

きちんとして代行業者をえらべば、依頼した当日に辞めることができたり、自分は園と一切連絡を取らずに辞めることもできます。

退職代行のえらび方

ひとくちに退職代行といっても、さまざまな業者があります。
えらび方のひとつとして、運営しているのがだれかという基準もあります。

退職代行業者…退職の意向を伝えてくれる。費用が安い。

労働組合が行う退職代行…園と交渉はできるが法的対応はできない。費用は普通。

弁護士が行う退職代行…法的な問題にも対応してくれるが、費用が高い。

自分の状況に合わせてえらぶといいでしょう。

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保育士の退職 まとめ

保育士の退職についての話はいかがだったでしょうか。

最近はたくさんの保育士がさまざまな理由で退職しています。

中には円満に退職できない場合もありますが、退職をするのなら円満に退職したいものです。

今回は保育士が円満に退職するために

  • 保育士が退職したいと思ったらしてほしいこと
  • 保育士が円満退職するために
  • 保育士が退職する時に必要な書類
  • 保育士が退職する時に考えるお金のこと
  • 保育士の退職が決まったらすること
  • 保育士が退職したあとのキャリア
  • 保育士が退職する時に引き留められたら

について説明してきました。

退職の意思を固めたら、自分のためにもまわりの人のためにも、しっかり計画をたてて退職にむかいましょう。

ABOUT ME
めるる
保育をつらいものにしたくない! 気持ちによゆうをもってすごせるように、日々奮闘中。 勤務…幼稚園・こども園に10年、保育園。 資格…保育士資格・幼稚園教諭免許・小学校教諭免許・特別支援学校教諭免許