「今日絵の具したから手がガサガサです~」
「最近、腰痛がひどくてさ~」
「先生、子どもがウンチしたらすぐに気づきますよね!」
こんなことを保育士仲間どうしで話したことはありませんか?
どのしごとでも職業病と言われるものはありますが、保育士にも職業病があります。
保育士としてはたらいていると、他の職業の人にはないさまざまな悩みや「あるある!」と共感してしまうできごと出会います。
他の職業の人には伝わらない分、保育士仲間の共感してもらえたらつい盛り上がっちゃいますよね。
今回の記事では、「それあるある!」というようなクスっと笑えるものから、深刻な体の症状まで、さまざまな保育士の職業病を紹介していきます。
こんにちは!現役保育士のめるるです♪
15年以上保育現場ではたらいています。
みなさんもありますか?保育士あるある。
腰痛のようにしんどい職業病もありますが、保育士どうしで「それ、あるある!」と言い合うのが楽しいんですよね。
保育士の職業病 くせのこと
まずは、保育士としてはたらいているうちにしみついた「くせ」について。
あなたにも思い当たるところはありませんか?
プライベートでも自分のことを「先生」という
プライベートでやってしまうとちょっとはずかしいのが、「自分のことを『先生』と言ってしまう」です。
とくに友だちの子どもや甥っ子姪っ子など子どもと関わっている時につい言ってしまいがち。
相手の子どもは「?」といった表情になったり、「せんせいじゃなーい!」とつっこみが入ったりします。
食べるのが早くなる
保育士で昼食をゆっくり楽しめている人はどれくらいいるのでしょうか?
子どもと一緒に食べる時は子どもの食事を介助しながらになるので、自分のことは後回し。
「せんせー!お汁こぼした!」
「せんせー!○○くんたちがけんかしてる!」
「これきらいだから食べない…」
そんな子どもたちの対応をしていると、自分の給食をゆっくりなんて食べていられません。
「早く食べて子どもの対応をしなきゃ!」となってしまいます。
あかちゃんクラス担当で子どもと一緒に食べない場合でも、しごとが山のように待っているので結局ゆっくりはできません。
どのクラスの担当でも保育士である限り、どうしても食べるのが早くなってしまいます。
ほんとうはおいしい給食をゆっくり味わいたいのですが…。
大人と話す時も子どもと話す時のように話してしまう
子どもと話す時、「おはなし」「ごようい」「おイス」など単語に「お」や「ご」をつけて話すことも多いです。
それがくせになり、他の保育士と話す時やプライベートで友だちや親と話す時にも、「この前の映画のお話なんだけど…」ついつい「お」や「ご」をつけてしまうことがあります。
友だちや親からは「保育士っぽいね~」とからかわれたりして、ちょっと恥ずかしくなります。
保育に使えそうなものがあったらため込んでしまう
保育士なら子どもが園であそぶ環境を整えてあげたいと思いますよね。
しかし園にも予算というものがあり、なんでもかんでも買うことができるという訳ではありません。
そこで保育士は自分の家の中で保育に使えそうなものが見つかるととっておき、時期が来たら園にもっていってあそびに出すことがあります。
たとえば、
- 空き箱やトイレットペーパーの芯など廃材あそびに使えそうなもの
- シャンプー容器などごっこあそびで使えそうなもの
- どんぐりや松ぼっくりなどの自然物
など、普通の生活の中で出てくるものをとっておいたり、ちょっとおでかけをした時に見つけたものを拾ったりして、子どもたちのために園に持っていきます。
保育士の職業病 体のこと
子どもに合わせた生活をしていると、大人である保育士にとっては無理な体勢になってしまったり自分のことは後回しになってしまったりして、体に負担がかかることも。
多くの保育士が一度は体験したことがあると思う体のあるあるです。
ひざが黒くなる
特に小さいクラスを担当すると、避けられない「ひざの黒ずみ」。
保育士は子どもと目線を合わせるためにひざをつきますが、相手が小さければ小さいほどよくひざをつくことになります。
ひざと服・床などとの接触により黒ずみができてしまいます。
プロテクターをしたり黒ずみ対策のクリームをぬったりすると多少はましですが、やはり年数を重ねれば重ねるほど黒さは目立ってきます。
年数とともに、短いスカートやひざを出す服は着れなくなってしまいます。
手が荒れる
保育をしていると手を洗う機会がとても多いです。
おむつかえのあと、外から帰ってきた時、給食の時、製作で手が汚れた時、子どもの鼻水やよだれがついた時…。
感染症が流行している時期は手洗いに加えて、手を消毒する機会もグッと増えます。
またおもちゃや保育室を消毒する時には、手を消毒する時よりも濃い濃度の消毒液を使います。
これだけ手が荒れる原因があるのに、ハンドクリームなどでケアをする時間もタイミングもありません。
冬場は手がガサガサになり、ささくれもできやすくなります。
保育をしながらふと手を見るとおばあちゃんの手のようになっていてショックを受けることも…。
日焼けする
「保育士と言えば日焼け」と言ってもいいくらいしますよね、日焼け。
ハンドクリームと同様に、自分の日焼け止めをぬる時間なんてないですよね。
朝ぬったらそれきりになりがちなので、数値が高い日焼け止めを使っている保育士も多いようです。
園によってはアームウォーマー禁止、日焼け止め禁止の場合もあるので、夏場はつらいですよね。
プライベートでノースリーブを着たら日焼けの境目がくっきり…なんてことも!
また、髪の毛も紫外線で痛み、パサパサになりがちです。
なぞのあざができる
しごとから帰りお風呂に入った時にふと身に覚えのないあざがあったりしませんか?
保育をしていると知らない間にどこかに体をぶつけていたり、子どもに踏まれたりしてあざができていることがあります。
少しくらいならいいですが、元気な子が多いクラスの担当になるとそのあざの数も増えていき…。
そして自分が年を取ればとるほど治りも遅くなって、あざを見るたび少し悲しい気持ちになったりします。
腰痛・肩こり・腱鞘炎・膀胱炎になる
聞くだけでつらくなりますね…。
腰痛
小さい子を抱っこしたり重たいものを運んだり…日頃の負担が重なり、腰痛になってしまいます。
サポーターベルトをつけたり重たいものを持つ時は持ち方を工夫するなどして、腰に負担がかからないようにしましょう。
また、腰に違和感を感じたり痛みができてきた時は、整骨院などでメンテナンスしてもらうと楽になりますよ。
肩こり
肩こりも保育士はよくなりますよね。
子どもとあそぶだけではなく、事務仕事などのデスクワークも多くあるからです。
しかも、子どもの午睡をチェックしながら行うので保育室で行うことになります。
保育室は子どものために作られた部屋なので、机などの大きさが大人には適していません。
パソコンも手書きの書類も無理な体勢で行わざるを得ません。
その負担が肩にかかり、肩こりが発生してしまいます。
腱鞘炎
腱鞘炎は乳児クラスの保育士がなることが多いです。
子どもをだっこする時に、子どもをうまく抱かないと手首や指に変に負担がかかり腱鞘炎になってしまいます。
子どもを抱く時には手首や指に負担をかけない抱き方をするようにしましょう。
膀胱炎
人手不足の保育業界。
トイレに行くのにも気を遣います。
がまんしすぎると膀胱炎になってしまいます。
乳児は複数担任なのでまだ行きやすいですが、子どもが小さい分大人の目が少なくなる時間は短くしたいので、どうしても我慢できない時に急いでいくことが多いです。
とくに一人担任の人は膀胱炎になりやすいです。
クラスに保育士が一人しかいないと部屋を離れることがむつかしいのです。
私は以前、保育室に大人用トイレがついている園で一人担任をする年がありました。
いくらトイレが保育室についていると言えども、ドアをしめれば子どもたちの様子は見えません。
子どもたちを落ち着けトラブルが起きなさそうな状態にしてから、隣のクラスの保育士に声をかけてトイレにいっていました。
それもなるべくギリギリまでがまんして、限界が来た時にトイレにいく…という形でした。
声がかれる
新任の保育士によくありがちです。
騒がしい時に注目を集める方法がわからず、ついつい声を大きくしてしまう。
声の出し方もいい方法がわからず、おなかから出すのではなくてのどで出してしまうので、新任のうちはよく声をからす人がいます。
経験を重ねるうちに、のどに負担をかけない声の出し方がわかってきたり、手あそびなど注目を集める方法がわかってきたりして、しだいに声がかれることは少なくなっていきます。
しかし、のどが弱い人は注意しなくてはいけません。
のどに負担が蓄積していくとポリープができたり声帯が傷ついたりして、場合によっては手術をしなくてはいけなくなる場合もあります。
保育士の職業病 しごとのこと
園で子どもとすごしていると特殊能力が身についたり、「なぜこのタイミングで…⁉」というようなことが起こったりします。
そんな園でしごとをしている時のあるあるです。
においで持ち主がわかる
子どもの持ち物には名前を書いてもらうようにお願いをしていますが…
名前がないものが落ちていることもあります。
自分の持ち物を認識できる年齢なら子どもたちに尋ねますが、小さい子のクラスだとそれができません。
そこで…においをかいで、「これは○○くんのにおい!」と持ち主を探し出します。
においで持ち主を探すのが得意な保育士に聞いてみると、柔軟剤のにおいやその子の家庭のにおいが混ざり合って一人ひとりにおいが異なるそうです。
中には百発百中の保育士もいるのでおどろきです。
だれかがウンチをしたらすぐに気づく
乳児クラスの保育士の嗅覚はほんとうに鋭いです。
あそんでいる時にふと「ちょっとにおわない?」と保育士の誰かが言いだします。
「このあたりがにおうな…」
「このにおいは○○ちゃんな気がする…」
と、たどっていきオムツの中を見てみると…
ほんとうにその子がウンチをしているのです!
においだけでウンチをした子をあてる保育士、すごすぎます…!
早番の日に限って保護者に直接伝えなくてはいけないことが起こる
本当に「なんで今日なの⁉」と思うようなタイミングで事件が起こるのが保育園です。
今日は早番だからと美容院や歯医者などの予約をしている日に限って、保護者に直接話さなければいけないことが起こります。
あとがしっかり残ってしまうくらいの噛みつきやけんかがあった
間違って伝えていたことを訂正してお詫びしなくてはいけないことがある
子どもの発達のことなどで話さなくてはいけないことがある
など、担任が出てお話ししなくてはいけないことがあります。
しかも、その対応しなくていけない保護者のお迎えの時間はだいたい遅いんですよね。
気の持ちようなのかもしれませんが、そういったことが起こるのは自分が早番で、しかも退勤後に予定がある時によく起こる気がします。
OLさんのお昼休憩にあこがれる
ほとんどの保育園には給食があります。
大きいクラスだと保育士も子どもと一緒に食べますし、小さいクラスで子どもと一緒に食べないとしても昼食には給食を食べる人はほとんどでしょう。
そんな保育士なら、OLさんのようにお財布を片手にランチ休憩にでかけることに1度はあこがれたことがあるのではないでしょうか。
オフィスカジュアルなかっこうで、時間に追われることもなくのんびりとランチ…。
給食は栄養満点で格安で食べれることはうれしいのですが、お昼休憩におしゃれなランチにもあこがれてしまいます。
保育士の職業病 プライベートのこと
プライベートな時間にも保育士であることが影響してしまいます。
しごと帰りの自分の姿を見て切なくなる
保育士の通勤服については、大きく2つのパターンにわかれます。
- 通勤時は私服に着替える人
- 保育着で通勤する人
園によっては必ず着替えて通勤しなければならないと決まっているところもあれば、反対に更衣室がない園もあります。
通勤時に私服に着替える人は感じることはそんなにないかと思いますが、保育着で通勤する人は帰りに自分の格好を見て切なくなることがあります。
Tシャツに動きやすいパンツ、ぼさぼさの髪にくずれたメイク…
車通勤ならそこまで気にならないかもしれないですが、電車通勤や通勤経路で街中を通る人はまわりのきれいな格好のOLさんたちと自分のかっこうを見比べて切なくなってしまいます。
退勤する時に着替えたらいいだけの話ですが、洗濯物が増えるのが大変、着替える時間がもったいない、更衣室がない…などの事情から保育着のまま退勤する方が効率がいい場合もあるのでむつかしいですね。
私服がそんなに必要なくなる
通勤で私服を着ない保育士は私服を着る機会が少なくなります。
はじめのうちは「休日はぜったいかわいい服を着てでかけよう!」と意気込んで私服をたくさん買うのですが…。
実際は休みの日は疲れて1日ごろごろしていたり、持ち帰りのしごとをしていて1日中家から出なかったりします。
そうして気付くのです。
「そんなに私服、いらないかも…」
私服を着る機会が週に1~2回であることや、春服・秋服に関しては期間が短すぎて数回しか着る機会がほとんどないことから、私服がどんどん少なくなってしまう保育士もけっこう多いです。
出会いがない
女性保育士は普通にすごしていると、ほんとうに出会いがないです。
職場で出会う男性はほぼ既婚者である園児の父親や、園長先生やバスの運転手さんのおじいちゃん…。
最近は男性保育士も増えてきましたが、まだまだ少ないです。
業者の人や外部講師は男性も多いですが、クラスの子どもがいる中恋愛関係に発展する余裕などなく…。
結局、職場での出会いはほとんど期待できません。
またしごとが忙しく、出会いの場からも遠のいてしまいがちです。
彼氏がいる保育士や既婚の保育士にどこで出会ったのか聞いてみると、
- 学生時代からの付き合い
- マッチングアプリ
- 友だちの紹介
- 趣味を通して
などが多く、職場以外で積極的に行動している場合が多いです。
忙しい保育士の恋愛についての記事もあるので、ぜひ読んでみてくださいね。
ショッピングモールやおでかけスポットではまわりを警戒する
園の子どもたちが訪れそうな場所にプライベートででかける時は、ついついまわりを警戒してしまいます。
とくにフードコートやおもちゃ売り場では子どもと出くわす確率が高いので、まわりを見渡して知り合いがいないかチェックします。
もし園の子がいた時は気付かれないようにその場を離れるか、絶対に子どもの方を見ないようにしてやりすごしたりします。
保育士の職業病 まとめ
保育士の職業病について、いかがだったでしょうか。
保育士には体に出てきてつらい職業病もありますが、「保育士あるある」のようにクスッと笑える楽しいものもたくさんあります。
つらい職業病は早めにプロテクターを使用したり病院にかかったりして、しごとやプライベートに支障がないようにしましょう。
またクスッと笑えるものは同僚とのコミュニケーションとして話したりすると楽しいですよね。
これらの保育士の職業病とうまく付き合いながら、楽しく保育をしていきましょうね。