保育士のはたらき方

保育士が休職したらどうなるの?お給料は?休職期間が終わったら?休職する理由はなに?

保育士 休職 アイキャッチ

「休職ってどんな制度なの?」

「休職をしたいけど、その間のお給料ってどうなるの?」

「休職したそのあとはどうなるの?」

こんなお悩みをかかえてる保育士さんはいませんか?

からだにもこころにも負担の大きい保育というしごと。

それでも「子どものために」と、ギリギリまで頑張っている保育士さんはたくさんいると思います。

本当の限界がきてポキっと折れてしまうくらいなら、いちどしっかりやすんでみてもいいかもしれませんね。

そんな時にありがたいのが「休職制度」です。

今回は休職制度について、以下の7つの項目についてお話ししていきます。

  • 休職ってどんな制度?保育士もとれるの?
  • 保育士が休職する理由
  • 保育士が休職したいと思ったらどのような手順をふめばいい?
  • 休職期間はどうすごす?
  • 休職期間が終わったらどうする?
  • 保育士が休職するメリット・デメリット
  • 休職制度がない保育園の場合どうしたらいい?

保育士めるる

こんにちは♪
現役保育士のめるるです。
15年以上保育の現場ではたらいています。

一緒にはたらいた保育士さんで休職した人が何人かいました。
休職をして元気になって復帰した人。
休職からそのまま退職していった人。
いろんな人がいましたがひとつ言えるのは、制度をしっかり理解して考えて行動した人は、どのような結果になっても後悔していないということ。

「しごとしんどいな」と感じたら、休職制度について調べてみるのもありかもしれませんね。

休職ってどんな制度?保育士もとれるの?

休職って聞いたことはあるけれど、実際にどのような制度なのか知っていますか?

休職制度について解説します。

休職制度とは

休職制度とは、「従業員側の都合で、会社との雇用関係を継続しながら長期間やすむことができる制度」のことです。

法律的には休職制度は必ず設けなくてはいけないものではなく、会社ごとに設定し、就業規則によって独自に決めていいことになっています。

ですので、休職制度があるかないか、ある場合でも細かい内容は会社ごとに違ってきます。

保育士も務めている園に休職制度があれば、休職することができます。

休職を考えている人は、自分の勤務先の就業規則をしっかり確認することが大切です。

休職の条件

休職制度があること

まずは、会社に休職制度があることが大前提になります。

休職制度がなければ休職はできません

正当な理由がある

だた単に「やすみたいから」という理由では休職することはできません。

「ケガをした」「病気になった」など、就業規則に沿った、だれもが納得できる正当な理由があることが大切です。

復帰することが前提

あくまでも休職は、「はたらくことができない理由がなくなった時に、同じ職場でふたたびはたらくための制度」です。

復職することを前提に作られた制度です。

復帰をする予定がないのなら、休職ではなく退職になります。

休職の期間

期間も会社ごとに決めることができます。

一般的な休職の期間は6か月~1年。

長いところでは1年6か月ほど休職期間を設定しているところもあるようです。

休職中の金銭面

休職を考える時に気になる金銭面について、みていきましょう。

収入面

休職中は基本的に園からの給料はないところがほとんどです。

ノーワーク、ノーペイですね。

ボーナスなどの査定にも影響します。

健康保険に加入している人は、条件が当てはまれば休職期間中に傷病手当金を受け取ることができます。

ただし、少しでも条件から外れてしまうと受け取ることができなくなってしまうので、しっかり調べて条件から外れないようにしましょう。

受け取れる金額は、おおよそ給料の3分の2程度。

期間は最長1年6か月です。

支払い面

休職期間中でも社会保険料(健康保険と厚生年金保険料)と住民税は支払わなくてはいけません

ふだんは給料から天引きされているので、給料の支払いがない休職期間中にどのように支払えばよいのかよく相談しましょう。

また、普段は労使折半といって、社会保険料の半分は会社が支払ってくれています。

休職中も半分は会社が出してくれるのか、それとも全額自分持ちになるのか、しっかり確認しましょう。

保育士が休職する理由

保育士が休職するといっても、理由は人ざまざまです。

どのような理由があるのかみてみましょう。

大ケガをした

交通事故で入院した場合や、入院までしなくても保育ができない状態になってしまった場合に、治療のために休職できます。

病気になった

ガンなどの病気になった場合も治療に専念するため、休職制度を利用することができます。

メンタル不調になった

最近増えてきているのが、メンタル不調。

適応障害やうつなどがそれにあたります。

見た目でわかりづらいので、医師の診断書があると休職しやすいです。

家族が入院したり介護が必要になった

自分だけでなく、家族のサポートのために休職することができる会社もあるようです。

就業規則をしっかり確認しましょう。

保育士が休職したいと思ったらどのような手順をふめばいい?

まずは上司に相談

まずは上司に相談しましょう。

園内に休職の原因がある場合はそれに対処してくれて、そもそも休職をしなくてもすむようになるかもしれません。

それでもやはり休職をする場合、手続きや必要な書類は園ごとに異なるので、なにが必要なのか教えてくれると思います。

事前に自分で用意できるものとしては、ケガや病気が原因の休職の場合、診断書を用意しておくと話がスムーズです。

休職についての具体的な話

  • いつからいつまで休職する予定か
  • 休職中のしごとはだれが引き継いでくれ、引継ぎをどうするのか
  • 休職期間中の連絡手段はどうするか
  • 休職中の金銭面のこと
  • 復帰の目安

など、休職するにあたっての具体的な話をします。

ある程度上司や事務員さんから話があると思いますが、休職の前例がない園の場合、抜けがあるかもしれないので、自分でもしっかり調べていきましょう

休職期間になるまで、しっかりはたらく

自分が抜けても同僚や子どもたちや困らないようにしっかりと引継ぎをしましょう。

「もうすぐやすむから」と適当にしていては、同僚からの印象が悪くなり、復帰した時に居心地が悪くなってしまうかもしれません。

出勤している間はしっかりとしごとをしましょう

休職期間はどうすごす?

休職という選択をしたのはなぜか。

それをしっかり考えて休職期間をすごしましょう。

しっかり療養する

ケガや病気で休職をする場合は、まず療養です。

自分のケガや病気の場合は、しっかりやすんで1日でも早く回復するように努めましょう。

家族が理由の場合は、家族のケアに努めます

ただし、家族のことばかり考えて自分が倒れてしまわないように気をつけましょう。

復帰について考える

休職は休職理由がなくなれば復帰するのが前提です。

自分や家族の状況をよく考え、いつごろから復帰できそうか。

そもそも復帰は可能なのか。

よく考えましょう。

復帰したとして、以前と同様に体調を崩してしまっては元も子もありません。

この先もしごとを続けることができるのか、休職期間中にじっくり考えてみましょう。

休職期間が終わったらどうする?

想定していた休職期間の終わりが近づいてきたら、これからどうするかのこたえを出さなくてはいけません。

休職期間終了日の1週間前くらいには、上司から「復帰はできそう?」と尋ねられると思います。

休職期間が終わったあとの選択肢としては、「復帰する」「休職を延長する」「退職する」の3つがあります。

復帰する

想定していた期間で休職理由が解消し、復帰する。

1番理想的なパターンです。

ケガや病気から復職する時には、医師からの診断書を提出するように求められることもあります。

ケガや病気での休職の場合、復帰したあとも再発しないように気をつけながらしごとをしましょう。

休職を延長する

想定していた休職期間中に休職理由が解消しなかった場合、休職期間を延長することになります。

この場合、自己判断ではなく医師の診断書などを用意して、客観的に休職の延長が必要であることを伝えましょう。

ケガや病気は回復の程度が客観的にわかりやすく復帰時期の変更を理解してもらいやすいですが、一方うつなどのメンタル不調は理解してもらいにくいので、診断書はかならず用意していきましょう。

ただし、就業規則で定められている休職期間を超えての延長はできません

退職する

就業規則で定められている期間内に復帰できなかった場合や、自分の判断で今の職場に復帰することが難しいと感じた場合は退職することになります。

この場合は自己都合退職になり、失業手当や国民健康保険の取り扱いが不利になります。

また、退職金が少なくなる場合もあり、金銭的に苦しくなる可能性がでてきます。

もし休職中に傷病手当金を受け取っているならば、条件によっては退職後も受け取り続けることも可能です。

逆にいうと、条件から外れてしまうと退職後の傷病手当金を受け取れなくなる場合もあります。

退職の可能性がでてきたら、退職後に受けることができる公的支援についてあらかじめ調べ、あとから後悔しないようにしましょう。

保育士が休職するメリット・デメリット

メリット

療養中も職を失わなくてすむ

ケガや病気ではたらけなくなった時に退職してしまうと、治った時に就職先を探すところから始めなくてはいけません。

一方休職だと、療養しながら園との雇用関係を継続することができるのです。

なので、療養中に次の就職先の心配をせずに安心してからだをやすめることができます。

しごとから離れてしっかり療養できる

はたらきながらだと、どうしてもしごとを優先してしまいがちです。

しごとから完全にはなれて、療養したり家族のケアをしたりできるのは、大きなメリットです。

デメリット

収入が減ってしまう

職を失わずにゆっくりやすめる一方、はたらいていないので当然給料は出ません。

傷病手当金などの公的支援を利用することはできますが、はたらいていた時より収入は減ってしまいます

家族がいたり貯金がなかったりすると、金銭的に苦しくなってしまいます。

評価が下がり、キャリアに影響する

休職したこと自体が評価に影響する場合もあります。

また、キャリアアップの条件に勤続年数が必須の場合があります。

基本的に出産以外での無給の休職の場合は勤続年数にカウントされないので、同僚と比較してキャリアが遅れることがあります。

転職に不利になる

休職の理由によっては、不利になることもあります。

不利になりにくいのは、事故によるケガなど、やむを得ない事情があり今後再発の可能性の低い内容での休職です。

反対に不利になりやすいのは、メンタル不調の場合です。

とくに完治していない場合は、継続しての勤務を疑問視されるリスクが高いです。

また、家族が理由の休職では、今後もしごとに影響があるかどうかがポイントになります。

介護していた親が亡くなった、病気の子どもが完治したなど、今後はしごとに影響がないことをしっかりアピールしましょう。

休職制度がない保育園の場合どうしたらいい?

最近は労働環境を整えている保育園が増えていますが、中には休職制度がない園もあります。

休職制度がない園で長くやすむ必要が出た時はどうすればいいのでしょうか。

まずは有休を使う

まずは、現在残っている有休を使いましょう。

年次有給休暇の時効は2年なので、30日以上残っている人もいます。

この期間で休職理由が解消する人もいるかもしれません。

また、この期間にこれからどうするかを考えることもできるでしょう。

有休休暇なら今後にマイナスの影響を与えることもありません

パートになるなどはたらき方を変える

完全にやすむことはできませんが、出勤時間や日数を減らすことで、今よりはたらきやすくなることもあります。

少ない出勤時間・日数なら、しごとをやめずに治療や家族のケアができるかもしれません。

しかし無理は禁物なので、はたらき方を変えることで対応できるかよく考えましょう。

急いで転職活動をする

現在の園ではたらき続けることが難しいなら、他の園を探すのもひとつの方法です。

今の園で自分は何がはらたきにくいのかをよく考え、それを考慮して園を探します。

最近の転職エージェントは優秀で、エージェントに相談してから2週間で新しい園ではたらき始めたという人もいます。

転職エージェント アイキャッチ
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短い期間で転職することになるのでかなり忙しくなると思いますが、園がかわればはたらき続けることができそうなら、この選択もありかなと思います。

だたし、うつなどで判断能力が落ちている場合はその場の判断で動かない方がいい場合もあるので、医師や家族としっかり相談しましょう。

退職をし、はたらくのをやめる

うつなどメンタル不調で環境を変えることが難しい場合や入院して動けない場合、休職制度がなければ、有休を使いきったあとは退職してゆっくりからだをやすめることになるでしょう。

思いがけず退職することになると、金銭面や将来のことを考え不安になるかと思います。

使える公的制度を使い、少なくはなるとしても安定した収入を得ながら、からだをしっかりとやすめましょう

無理してはたらき続けるよりも、しっかり療養してからバリバリはたらく方が長期的に見て収入面でも安定します。

また無理をすることで、一生消えないダメージをからだやこころに負ってしまうと取り返しがつきません。

どうか無理をせず、自分を大切にしてあげましょう。

保育士が休職したい時 まとめ

保育士の休職について、いかがだったでしょうか。

今回は

  • 休職ってどんな制度?保育士もとれるの?
  • 保育士が休職する理由
  • 保育士が休職したいと思ったらどのような手順をふめばいい?
  • 休職期間はどうすごす?
  • 休職期間が終わったらどうする?
  • 保育士が休職するメリット・デメリット
  • 休職制度がない保育園の場合どうしたらいい?

をお話ししてきました。

保育士が休職を考えるということは、なにかつらいことや大変なことをかかえているということです。

休職は金銭面でもメンタル面でも痛手になることが多いです。

なるべく休職をしなくていいように、普段から自分のからだをこころを大切にし、おかしいなと思ったらはやめに休息をとって自分をいたわってあげましょう。

休職をすることになってしまった時も、公的制度を使い金銭的な負担が少なくなるようにしたり、先を見通すことで気持ちが軽くなるようにしたりと、しっかり調べて後悔のないようにしましょう。

ABOUT ME
めるる
保育をつらいものにしたくない! 気持ちによゆうをもってすごせるように、日々奮闘中。 勤務…幼稚園・こども園に10年、保育園。 資格…保育士資格・幼稚園教諭免許・小学校教諭免許・特別支援学校教諭免許