「退職することは決まったけど、どんなふうにみんなに知らせたらいいの?」
「保護者にあらたまって挨拶をするのって緊張する…」
「職員や保護者全員に、一人ひとり挨拶をしたらいいの?」
退職が決まった保育士さん、こんなことでお困りではないですか?
今回は、初めて退職する保育士さんに向けて、退職の挨拶について書きました。
- 退職が決まった保育士は挨拶をきちんとしよう
- 保育士が退職の挨拶をするタイミングは?
- 保育士が退職の挨拶をする時のマナーやポイント
- 相手別 保育士が退職する時の挨拶例文
これらのポイントをおさえてしっかり挨拶をして、笑顔で退職しましょうね。
こんにちは!現役保育士のめるるです♪
保育の現場で15年以上はたらき、何度か職場を変えたこともあります。
初めて退職する時って、どんな風に挨拶をすればいいかわからないですよね。
先輩たちが辞める時には挨拶をしてくれたけど、目上の方には?
保護者にはどんなふうに話をしたらいいの?
今回はそのヒントになる内容を書きました。
最後には例文もあるので、あなたも自分らしい最後の挨拶をしてみてくださいね!
退職の流れのイメージがつかめない人はこちらの記事も読んでみてくださいね。
退職が決まった保育士は挨拶をきちんとしよう
退職が決まった保育士は、さまざまな準備を進めていくことと思います。
その中でも社会人として大切なのが、退職の挨拶。
今まで同じ職場ではたらいてきた同僚や保護者・子どもにお礼の気持ちを伝える方法として大切なことです。
これまでどんなにいい保育士だったとしても、最後に挨拶がなかったりてきとうな挨拶だったりするだけで不誠実な印象を与えてしまいます。
最後は気持ちのよい挨拶で締めくくりましょう。
保育士が退職の挨拶をするタイミングは?
退職の挨拶はいつするのがよいのでしょうか。
タイミングについて考えてみましょう。
同僚には退職が決まった時と最後の出勤日に
同僚には2回挨拶をすることになります。
そのタイミングは
- 退職が決まったあと
- 最後の出勤日
この2回です。
退職が決まったあと
退職が決まったあとには、「退職をするという報告」という意味合いでの挨拶をするとよいでしょう。
このタイミングでの挨拶は一人ひとり時間をとって…ではなく、朝礼などで少し時間をとってもらって挨拶をします。
一度にたくさんの人に伝えることができ、伝え漏れをふせぐことができます。
もちろん全員が朝礼に出ているとも限らないので、その場にいなかった人には個別に直接伝えにいきます。
この場で伝えるとよい内容は、
- 退職日
- 今までの感謝
- 最後の日までがんばること
です。
退職理由は深く話さずに、「一身上の都合で」「家庭の事情で」と当たり障りなく話す程度にしておきましょう。
最後の出勤日
最後の出勤日には、一人ひとりに声をかけ、しっかりと挨拶をしましょう。
伝えるとよい内容は、
- 今までの感謝
- 楽しかったエピソードを軽く
- お元気で…
を、相手に合わせて話をします。
園の慣習にもよりますが、園全体にお菓子を渡したり、一人ひとりにミニプレゼントを渡す場合もあるので、今までの退職者がどのようにしてきたか探っておくといいでしょう。
自分の最終日に出勤しない人には、あらかじめ最後に一緒に出勤をする日を調べておき、自分から声をかけ挨拶をするようにしましょう。
また、最後の日に急きょの体調不良などで会えない人には、メールや手紙で挨拶をするとよいでしょう。
保護者や子どもにも事前の挨拶と最後の挨拶を。しかし…
保護者や子どもにも、同僚と同じように事前の挨拶と最終日の挨拶をするとよいでしょう。
多くの園では、年度末の退職者をおたよりや貼り紙で知らせることが多いようです。
紙面で退職を知らせ、その後保護者から声をかけてくれたり保育士側から声をかけたりして、退職が決まったことを直接伝えることになります。
また、保護者に知らせる前に子どもに話をしておく園が多いかと思います。
流れとしては、
保育士から直接子どもに退職をすることを伝える
↓
おたよりや貼り紙で保護者に知らせる
↓
保護者に直接挨拶をする
となることが多いです。
伝える内容としては同僚への挨拶とほぼ同じです。
時間的に余裕があるなら、子どもたちとの楽しかったエピソードなども交えながら話をすると、しんみりした雰囲気にならずに挨拶をすることができますよ。
挨拶するタイミングがない場合も…
一方で、年度途中の退職や急きょの退職の場合、挨拶するタイミングがない場合もあります。
その場合は、あとから紙面でおしらせをしたり、特におしらせもないまま「気づいたらあの先生いないね」となる場合もあるようです。
保育士が退職の挨拶をする時のマナーやポイント
退職の挨拶をする時に気をつけるとよいマナーやポイントをお伝えします。
挨拶をする順番
同僚
事前の挨拶では、園長・主任には先に退職を伝えていますし、同僚には朝礼などで一斉に伝えるので、順番はそこまで意識しなくて大丈夫です。
最終日は、できれば立場が上の方から挨拶をしにいくのがベストですが…。
保育園はシフト制のところが多いので、実際はシフトで早く帰る人から挨拶をすることになる場合が多いです。
卒園式のあとなどで全職員が園内にいる場合は、各保育室をまわっていくことになると思うので、各クラスにいる保育士に声をかけて、最後に職員室にいる園長・主任に挨拶をして帰ることになります。
最終的には順番よりも、どれだけ心をこめて挨拶をするかということが大切です。
保護者・子ども
保護者と子どもへの挨拶ですが、多くの園では、子どもたちに退職を発表したその日の帰りに、おたよりや貼り紙で保護者にも伝えることが多いです。
保育士の退職を子どもに伝えるのは、保護者からではなくやはり保育士から直接、自分のことばで伝えられるとよいですよね。
全園児が集まる場で、園児全体にお別れの挨拶をすることが多いかと思います。
そして最終日の降園時に、担当しているクラスの子どもに向けて最後の挨拶をしてお別れになります。
保護者間での差がつかないように
欠席などでおたよりや貼り紙を見れなかった場合は仕方ありませんが、「この保護者には直接挨拶をしたのに、この保護者には直接の挨拶はしなかった」ということがないように気をつけましょう。
欠席などで直接挨拶できなかった場合は、翌日でもいいので必ず声をかけましょう。
もしくは園の方針などで「保護者から声をかけられたら対応はするが、自分からは声をかけない」などきまりがあるかもしれませんが、人によって差が出ないように一貫した対応をするようにしましょう。
お迎えの時に挨拶をする順番は、お迎えにきた人から声をかけていくことになります。
直接挨拶をする
退職時の挨拶は事前の挨拶でも最後の日の挨拶でも、できるだけ直接しましょう。
直接話せないくらい体調が悪かったり、トラブルがあったりするなどの特別な事情がないかぎりは、直接顔をみて挨拶することで誠意を持って対応しているということが伝わります。
保護者には送迎時に声をかけたり保護者会などで話をしたりするなどしましょう。
送迎時の場合忙しい保護者もいるので、手短に、しかしきちんとした挨拶ができるように、事前に挨拶の内容を考えておきましょう。
園によっては、特に年度途中での退職の場合は直接挨拶をしないということもあります。
園の方針にそって、可能な場合は直接挨拶をするようにしましょう。
伝える内容
退職の挨拶をする時には、どのような内容を伝えるとよいのでしょうか。
退職日を伝える
退職の報告もかねての挨拶の時は、退職日をしっかり伝えましょう。
園児の兄弟が卒園児に退職のことを伝えて会いに来てくれることもあります。
その時に退職日を知らず、せっかく会いにきてくれたのにもう退職してしまった後だったら…とても悲しいですよね。
また、毎日出勤しないパートさんなども、「まだいると思ったのに…」と、最後の挨拶がしっかりできないことがあるかもしれません。
退職日はしっかり伝えましょう。
感謝の気持ちを伝える
同僚には、一緒にしごとをしてお世話になった感謝の気持ち。
保護者には、大切な子どもを預けてくれて、成長する姿を一緒に見ることができた感謝の気持ち。
子どもたちには、みんなと一緒にすごすことができてうれしかった気持ち。
これらの気持ちをしっかり伝えましょう。
退職理由は聞かれたらさらっと
基本的には、同僚にも保護者にも「一身上の都合で」「家庭の事情で」などさらっとでかまいません。
結婚や出産などのおめでたい理由なら、それを伝えてもいいですね。
絶対にNGなのが、園や職員に対する不満を理由にあげること。
これはどれだけポジティブに変換したとしても、残される同僚や保護者・子どもからしたら気分がいいものではありません。
ネガティブな退職理由の場合、尋ねられたとしても話題を変えるなどしてさらっとかわしてしまいましょう。
相手別 保育士が退職する時の挨拶例文
では、実際にどのように挨拶をしたらよいのか。
同僚・保護者・子ども、それぞれに対する挨拶の例をあげてみたいと思います。
これを参考にして、自分らしい挨拶をしてみてくださいね。
同僚への挨拶
同僚への事前の挨拶は、朝礼などで一斉に伝えます。
職場全体への感謝を伝えられるといいですね。
同僚への事前の挨拶
「この度、□月◇日をもって退職することになりました。
みなさんには◯年間お世話になりました。
△△保育園でたくさんのことを学ぶことができ、楽しくすごすことができました。
退職日までまだ日がありますので、精一杯勤めてまいりたいと思います。
よろしくお願いいたします。」
同僚への最後の日の挨拶は個別に行います。
一人ひとりにしっかりと感謝を伝えましょう。
同僚への最後の日の挨拶
「今日で最後になります。
◯年間、本当にありがとうございました。
◯◯さんにはたくさんのことを教えていただき、助けていただきました。
(時間があれば具体的なエピソード)
今後も教えていただいたことを忘れずに、頑張っていきます。
◯◯さんもお身体を大切にされてくださいね。
本当にありがとうございました!」
保護者への挨拶
お迎えの時に、個別に挨拶をします。
忙しい人もいるので手短に挨拶をできるように準備をしておき、ゆっくり話せそうならエピソードや感謝の思いをしっかり伝えてもいいですね。
ただし、人によって挨拶にかける時間が明らかに違うということがないように気をつけましょう。
保護者への事前の挨拶
「掲示を見られてご存じかと思いますが、□月◇日で退職することになりました。
この1年、大変お世話になりました。
○○組で一緒にすごすことができて、しあわせでした。
まだしばらくはおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
保護者への最後の日の挨拶
「今日で最後になります。
1年間、ありがとうございました。
○○くん、本当におおきくなりましたね!
(時間があればエピソードを話す)
○○くんともお母さんとも一緒にすごすことができて、楽しかったです。
これからも○○くんが健やかに成長していくことを願っています。
本当にありがとうございました。
これからも、△△保育園をよろしくお願いいたします。」
子どもへの挨拶
子どもへの挨拶は、年齢や理解力に合わせた言い方で伝えましょう。
子どもたちが具体的にイメージできるエピソードや未来に希望を持てるようなことを話すといいですね。
子どもへの事前の挨拶
「今日はみんなにおしらせがあります。
先生はみんなが○○組さんになる時、ちがうところに行くことになりました。
先生もさみしいけれど、みんなと一緒にあそんだり給食を食べたりしてとっても楽しかったです。
先生はちがうところに行くけれど、みんなが大きくなっていくのを楽しみにしています。
まだ□月◇日までは△△保育園にいるから、一緒にいっぱいあそぼうね!」
子どもへの最後の日の挨拶
「先生は、今日で△△保育園が最後の日になりました。
この1年みんなと一緒にすごしてきて、ほんとうに大きくなったなとうれしく思っています。
こけても泣かない強い体になったり、苦手なことにも挑戦できる強いこころになってきたね。
泣いているお友だちに「どうしたの?」って聞けるやさしいこころにもなったね。
これから先もいろんなことがあると思うけれど、みんなならきっと大丈夫!
いろんなことに挑戦して、お友だちとけんかもするけどなかなおりもして…
みんながすてきなおにいさんおねえさんになるのを楽しみにしているよ。
ずっと応援しているからね!」
まとめ
保育士が退職する時に挨拶について、以下のことをお話してきました。
- 退職が決まった保育士は挨拶をきちんとしよう
- 保育士が退職の挨拶をするタイミングは?
- 保育士が退職の挨拶をする時のマナーやポイント
- 相手別 保育士が退職する時の挨拶例文
退職時の挨拶には人柄があらわれます。
「最後だからもういいや」ではなく、「最後だからこそ、こころをこめて挨拶を」。
きちんと挨拶をして、笑顔で最終日を迎えられるといいですね。