「今の園がきつくて辞めたいけど、年度途中での退職ってできるの?」
「退職するなら年度末にするように言われた。」
「年度途中での退職を願い出たら引き留められて、なかなか辞められない…」
こんなことでお困りの方はいませんか?
保育士のしごとは年度単位なので、年度途中で退職したくなっても躊躇してしまいますよね。
保育士も年度途中で退職することはできますが、望ましくはないことですし、注意するべきこともあります。
今回は
- 保育士が年度途中で退職することはできるのか?
- 保育士が年度途中で円満に退職するために
- 保育士が年度途中で退職できないと言われた時の対処方法
- 保育士が年度途中で退職する時の理由
- 保育士が年度途中で退職する時の挨拶
について解説します。
「立つ鳥跡を濁さず」
年度途中であったとしても、なるべくスムーズに退職できるように、できることはやりましょう。
こんにちは♪
保育士のめるるです。
15年保育をしてきましたが、年度途中で退職していく人を何人かみてきました。
みんなに笑顔で送られて途中退職していく人もいましたが、中には突然出勤しなくなったり、いやな雰囲気の中で退職していく人もいました。
無理をしてまで勤め続けなくてもいいと思います。
でも年度途中で退職する場合でもなるべくトラブルなく退職できるといいですね。
もくじ
保育士が年度途中で退職することはできるのか?
保育士が年度途中で退職することはできる!…が、のぞましくはない
結論からいうと、保育士が年度途中で退職することはできます!
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
WIKIBOOKS 民法627条
民法にはこのように書かれています。
つまり、退職したい日の2週間前に退職の意向を申し入れれば退職できるということです。
保育士の大半は「雇用の期間を定めないはたらき方」をしていると思います。
その場合は上記のとおりです。
一方「雇用期間の定めのあるはたらき方」をしている人の場合、話がかわってきます。
有期雇用契約をしている人は、契約から1年以内は基本的には期間途中で退職することはできません。
しかし「やむを得ない事由がある場合」は退職することができます。
自分の状況がやむを得ない事由に該当するのがよく調べましょう。
法律では保育士の年度途中の退職は可能とはいえ、現実はなかなかそうはいきません。
年度単位で動いている保育業界。
園側からすると、保育士が年度途中で退職するということは、
- 次の保育士を探す
- 保護者からのクレーム対応
- 子どもが不安にならないための配慮…
など、さまざまな課題を2週間という短期間で解決しなくてはいけません。
同僚にも負担がかかってしまいます。
大切なわが子をあずける保護者にとっては、担任が年度途中で変わるとなると不安を抱いて当然です。
子どもたちも大好きな先生がいなくなって、かなしい思いをするでしょう。
このようなことを考えると、可能であれば年度末のタイミングで退職する方がのぞましいといえます。
それでも、自分を犠牲にしてまで保育士を続けなくていい。
とはいえ、今の職場ではたらくことがつらくなっているならば、無理はしなくて大丈夫です。
あなたがいなくなると、たしかに現場が混乱したり同僚の負担が増えたり、子どもたちがかなしい気持ちになったりします。
しかし、それは一時のものです。
しばらくすると新しい保育士がはいり、同僚も子どもたちも慣れます。
「年度途中で保育士が退職した」なんてニュースで大騒ぎしてきるのをみたことはありますか?
ありませんよね。
年度途中で退職する保育士なんて日本中にたくさんいます。
そんなことで保育園はつぶれません。
かわりの保育士はいるのですから。
でも、自分のかわりはいません。
自分を守れるのは、自分だけです。
今の職場ではたらき続けると体や心を壊してしまいそうなくらいなら、思い切って年度途中でも退職しても大丈夫ですよ。
保育士が年度途中で退職する時の理由
退職を引きとめられないように、退職理由をしっかり考えることは大切です。
保育士が退職する時の理由としてよく聞くものを挙げてみました。
結婚や配偶者の転勤、妊娠
保育士が退職する時の理由としてもっとも引きとめに合いにくい理由のひとつかもしれません。
おめでたいことや、退職者本人以外の家族の理由は惜しまれつつ笑顔で退職できることが多いです。
子ども・親のため
親や子どもが理由の場合も割とすんなり退職できることが多いです。
親の入院や介護。
子どもの場合は、受験、体が弱い、習い事が大変、不登校などの問題を抱えている…など、さまざまな理由が考えられます。
ただ受験などのある程度決まった期間がすぎれば終わってしまう理由は、「退職」ではなく「休職」を勧められてしまうかもしれません。
体調不良
この理由は笑顔で送り出してはもらえませんが、引きとめにくいという意味で言うと最強かもしれません。
体調不良を申し出ても「時間を減らしてはたらいてみては?」などと引きとめられた場合は、病院で診断書を出してもらうと割とすぐに対応してもらえることが多いです。
他のしごとをする
「まだ若いうちに他の業種も経験してみたい」「友だちが会社を作るので、そのサポートそしたい」など、そもそも保育ではない道に進みたいという理由も引きとめられにくいです。
また同じような理由として、「○○のしごとにつくために必要な資格の勉強」という理由も応援されながら退職できることが多いです。
金銭面
金銭面を理由に挙げると、資金によゆうがある園では引きとめられるかもしれません。
しかし最近は運営に頭を抱えている保育園も多くあり、金銭面を理由に挙げられると引きとめられなくなる場合もあります。
職場の運営状況によっては使える理由かもしれません。
保育士が年度途中で円満に退職するために
とはいえ、年度途中で退職するとしてもなるべく円満にいきたいですよね。
自分にできる限りのことをしましょう。
円満に退職するためのポイントをお話しします。
退職の意思をなるべく早く伝える
園側の気持ちとしては、退職をするならば少しでも早く伝えてほしいものです。
かわりの保育士を探し、はたらいてもらう準備をしなくてはいけないからです。
話を切り出すのは、就業規則などに書かれている「退職を申し出るのは○か月前」をふまえたタイミングだといいでしょう。
また、運動会や発表会などの大きな行事期間は避け、落ち着いた時期に話ができればよりよいですね。
引継ぎをしっかりする
引継ぎをしないで退職…が、残された保育士からすると1番困ってしまいます。
子どものこと、クラスのこと、担当している係などのこと…。
かわりの保育士が困らない程度にはしっかり引継ぎをしましょう。
引継ぎする時間がないくらい急な退職だとしても、あとから書面やメールで伝えるなど方法はあります。
もし、自分の中では退職することが決まっているならば、あらかじめ引継ぎ内容を書面にまとめておき、それを提出してもいいでしょう。
最後まで手を抜かず、挨拶もしっかりと
もうすぐ退職するからといって、急に手を抜き始めると印象がよくないです。
最後までいつも通りに…なんならいつもより気持ちを込めてしごとができるといいですね。
最後の日には、職員・保護者・子どもにもしっかりと挨拶をして、円満に退職しましょう。
保育士が年度途中で退職できないと言われた時の対処方法
「退職の意向を伝えたのに、辞めさせてもらえない…」という保育士もいると思います。
そのような時には、以下の対処法を試してみてください。
退職理由を工夫する
保育士が退職できない理由のひとつに「引き留められたから」があります。
退職理由を聞かれた時に待遇や配属などを挙げると、「給料を来月から○万円アップするから」と引き留められることがあります。
それを避けるためにも、園側で対応できない理由を伝えることをおすすめします。
具体的な退職理由の例はあとでお話しします。
出勤しない
最終手段ですが、もう無理と思ったら職場に行かないという方法もあります。
しかし、きちんと手を打っておかないと後から無断欠勤や契約違反だと言われてしまうこともあるので、以下の対策をとりましょう。
退職届をきちんと出す
「退職したい」という意思をはっきり示しましょう。
退職願ではなく、退職届です。
書式に不備があると受理できない理由とされることがあるので、正しい書き方で書いて園長に提出しましょう。
退職可能日までに欠勤する場合は、園に連絡を入れる
退職届を出したとしても、14日経過するまでは出勤しなくてはいけません。
かってに休むと無断欠勤になってしまいます。
本人でなくてもかまいませんし、電話でなくてもメールでもいいので、欠勤する旨を伝えましょう。
それでも心配な人は、病院で診断書をもらいましょう。
内科や心療内科などを受診して症状に合わせて「○日間の休養を必要とする」と書いてもらえば、職場はそれに従わざるをえなくなります。
引継ぎをきちんとする
労働者が退職する時、引継ぎを行うことは職場に対する信義則上の義務であると考えられています。
残された人たちが困るということもありますが、引継ぎをきちんと行わなければ損害賠償を求められる場合もあるのできちんとおこないましょう。
退職代行を使う
園の人と話したくなかったり、引き留められて自分ではうまく退職できない時には、退職代行をしてくれる業者を使ってみるのもひとつかもしれません。
業者をきちんと選べば、自分では何もしなくてもスムーズに退職することができます。
大きなトラブルが起こらないと思われる場合は、一般の退職代行業者を選ぶと値段もお手頃で、あなたの退職の意思を代わりに伝えてくれます。
トラブルが起こりそうな場合は弁護士が行っている退職代行を選ぶと、法律に基づいて対応してくれるので、変にもめることが少ないです。
退職代行についてくわしく知りたい人はこちらの記事も読んでみてくださいね。
保育士が年度途中で退職する時の挨拶
さぁ、年度途中での退職が決まった保育士さん。
最後の挨拶まで気を抜いてはいけません。
きちんと挨拶をして、円満に退職しましょう。
保育士が退職する時の挨拶についてくわしく知りたい人はこちらの記事も読んでみてくださいね。
職員への挨拶
年度途中で退職することで負担をかけてしまう職員への挨拶には、
- 負担をかけてしまうことの謝罪
- 今までお世話になったことに対する感謝
をかならず入れるようにしましょう。
気をつけることとして、退職理由は事細かに伝える必要はありません。
とくに、職場や職員に不満がある時はそれに触れないようにしましょう。
おめでたい理由の場合は、嫌味にならないように配慮しながら、簡単に話してもいいかもしれませんね。
退職する日に会えない人には、その人に最後に会う日に自分から声をかけましょう。
急な体調不良などで直接挨拶ができなかった人には、メールでも大丈夫なので必ず挨拶をするようにしましょう。
保護者への挨拶
年度途中で退職することで、保護者には心配と不安を与えてしまいます。
挨拶に以下の内容を入れるといいでしょう。
- 途中でいなくなり、不安を与えてしまうことの謝罪
- 子どもや保護者とすごせてよかったという感謝
- これからも子どもたちの成長を祈っているということ
退職理由については職員の場合同様に、くわしく伝える必要はありません。
とくにネガティブな理由の場合は「家庭の事情で…」など当たりさわりない内容にし、それよりも子どもたちとの楽しかったエピソードなどを話すとよろこばれますよ。
子どもへの挨拶
大好きな先生がいなくなってかなしい思いをさせてしまう子どもたちには、
- 途中でいなくなってごめんね
- みんなのこと、ずっと大好きだよ
- すてきなおにいさんおねえさんになってね
これらのことを伝えるといいでしょう。
また時間があれば、子どもたちとの思い出や子どもたちのいいところなどを具体的に伝えると、きっとよろこんでくれるでしょう。
子どもたちに話をする時は、年齢に合わせてわかりやすいことばや言い方を心がけましょう。
まとめ
保育士が年度途中で退職することはできます。
その理由や円満退職する方法は以下のとおりでした。
- 保育士が年度途中で退職することはできるのか?
- 保育士が年度途中で円満に退職するために
- 保育士が年度途中で退職できないと言われた時の対処方法
- 保育士が年度途中で退職する時の理由
- 保育士が年度途中で退職する時の挨拶
とはいえ、やはり年度途中での退職はのぞましいものではありません。
今もし年度途中での退職を考えているのなら、次の職場は年度途中での退職をしなくてもいい、安心してはたらける職場がいいですよね。
最近は自分の希望をじっくり聞いて、条件に合う職場を紹介してくれる転職エージェントがあります。
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